月1回の叙序圓ギャラリーですが、今回は夏休み特別編として夏をテーマとして作品をご紹介します!
タイトルは『おいしい夏』。日本ヴォーグ社の『私の花生活』103号の読者公募に掲載された作品です。
押し花絵ではかならずしも描く題材と使用する材料は同じものではありませんが、本作では題材である夏野菜、きゅうり・ナス・かぶ・ミニトマトにあえて本物を使っています。
トマトなど水分が多い野菜は色を保ったままで皺を寄せずに押すことが難しく、押す技能を見せることもこの作品のコンセプトの一つです。
テーブルには押して3年ほど経過し色あせたボタンの花びらを用い、カゴに使ったカンナの葉は一旦冷凍してから押すことによって錆びた色に仕上げています。
『夏野菜のおいしさを額に閉じ込めたい』という思いを込めた作品です。厳しい残暑が続いていますが、皆様に少しでも爽やかな気分を感じていただければ幸いです。
【アーティスト紹介】
堀野 篤人
本業は機械設計技術者。伝統工芸鎌倉彫において教授会皆伝免許、押し花において日本ヴォーグ社のインストラクター免許を取得して、自然素材を用いた様々な芸術作品の創作に挑戦。海老名美術協会会員。
鎌倉彫は母である教授会師範の堀野孔翔に師事、その作風「構図を重視した絵画的図案に基づく木彫」の伝承を目指して雅号「研翔」を名乗る。
また押し花においては「押し花ノア」桐ケ谷恵美子先生に師事、花を育てる段階から一貫した作品作りを目指している。