月替わりの叙序圓ギャラリー第4回。
7月は鎌倉彫のパネルで、題して『大暑和ます菩提の実』です。
夏の盛りに菩提樹の実が、ほんのりと色づき始める様子を描いた作品です。
藤孔会・田中孔山先生の下絵によるもので、漆も先生独自の濃淡ある緑を使用。
本作は5年以上前の作品で、先生も菩提樹は初めてということから、中央に実を付けた葉をどう彫るか一緒に考えて頂きながら進めた事が思い出されます。
菩提樹は夏の間をかけて実が緑から茶色へ変化し、可愛らしい姿で暑い季節を和ませてくれます。その雰囲気を金銀の粉を使った『蒔き』の技法で表現してみました。
酷暑のさなかですが、本作で少しでも涼を添えられたらと願っています。
【アーティスト紹介】
堀野 篤人
本業は機械設計技術者。伝統工芸鎌倉彫において教授会皆伝免許、押し花において日本ヴォーグ社のインストラクター免許を取得して、自然素材を用いた様々な芸術作品の創作に挑戦。海老名美術協会会員。
鎌倉彫は母である教授会師範の堀野孔翔に師事、その作風「構図を重視した絵画的図案に基づく木彫」の伝承を目指して雅号「研翔」を名乗る。
また押し花においては「押し花ノア」桐ケ谷恵美子先生に師事、花を育てる段階から一貫した作品作りを目指している。