今回の叙序圓ギャラリーでご紹介するのは、お馴染みの堀野 篤人さんの作品ではなく、堀野さんの師匠でありお母様である堀野 孔翔さんの鎌倉彫の作品『崖のホタルブクロ』です。

本作の絵付けは孔翔さんの同僚だった『六山会』のお一人によるもの。

孔翔さんが鎌倉彫を始めたのは40年以上前。日本経済の高揚感に後押しされ文化芸術活動も活気ある時代でした。

当時は各市町村がしばしば文化工芸の無償講座を開設、海老名では鎌倉彫も企画され、教授として白羽の矢が立ったのが独立間もなかった田中孔山先生でした。講座は活況、無償期間後も続けたいと熱心だった6人のメンバーが先生に直訴して藤孔会海老名教室が創設されました。

その直訴した6人が結成した『六山会』ですが、既に引退されたり、亡くなった方もいて、現在現役で活動されているのは孔翔さん一人とのこと。

その孔翔さんも息子である篤人さんが相伝取得して教室を継いだら引退すると仰っていますが、さらなる傑作は晩年に生まれると信じていますし、長く続けて欲しいと願うばかりです。