今回の叙序圓ギャラリーでご紹介する作品は押し花絵『夏の扉』です。
作者がメキシコ出張でしばしば見かけた風景、色鮮やかなブーゲンビリアが建物に絡み付くように咲き誇っている様を再現しようと試みた作品になります。
扉は青いアジサイで構成、前景の花はブーゲンビリアそのものですが、枝はゴボウで作り込んでいます。
作者もブーゲンビリアを実際に育てて枝を門戸に這わせようと何度も挑戦しましたが、どうしても冬を上手く越させることができなかったため、代わりに押し花絵で実現しようとしたことが本作品の制作のきっかけです。
この作品は、作者の鎌倉彫の師であり母である堀野孔翔の海老名教室入り口に長らく飾られていたものです。今回は叙序圓のお客様に夏の訪れを先取りしていただきたいと考え、作品をお借りしました。
【アーティスト紹介】
堀野 篤人
本業は機械設計技術者。伝統工芸鎌倉彫において教授会皆伝免許、押し花において日本ヴォーグ社のインストラクター免許を取得して、自然素材を用いた様々な芸術作品の創作に挑戦。海老名美術協会会員。
鎌倉彫は母である教授会師範の堀野孔翔に師事、その作風「構図を重視した絵画的図案に基づく木彫」の伝承を目指して雅号「研翔」を名乗る。
また押し花においては「押し花ノア」桐ケ谷恵美子先生に師事、花を育てる段階から一貫した作品作りを目指している。