今回の叙序圓ギャラリーは、堀野さんのお母様である孔翔先生による鎌倉彫パネル『古典・獅子図』です。
孔翔先生が師範になりたての頃に寺院の木彫を模刻した作品と聞いており、最近まで彫の手本としてあった物を改めて漆塗りして仕上げたものです。
鎌倉彫は鎌倉時代に伝来した中国の堆朱を改良して仏具に、そして室町時代には茶道具へと活用範囲が広がって行った技法です。当時の仏師達が推進したものなので、仏閣の建造物に施された木彫を模刻する事は師範として更なる高みを目指すための重要な修行です。
模刻の際は写真をカーボンなどでトレースすることは禁止。寸法は測っても良いのですが、線は必ず自分で引きます。そうすることで思いの込められた生きた線が描けると考えているとのこと。
ぜひ、本作を通して800年以上続く鎌倉彫の歴史を感じてみてください。
【アーティスト紹介】
堀野 篤人
本業は機械設計技術者。伝統工芸鎌倉彫において教授会皆伝免許、押し花において日本ヴォーグ社のインストラクター免許を取得して、自然素材を用いた様々な芸術作品の創作に挑戦。海老名美術協会会員。
鎌倉彫は母である教授会師範の堀野孔翔に師事、その作風「構図を重視した絵画的図案に基づく木彫」の伝承を目指して雅号「研翔」を名乗る。
また押し花においては「押し花ノア」桐ケ谷恵美子先生に師事、花を育てる段階から一貫した作品作りを目指している。